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2007.11.10 転々

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 評価:◎      モヤさま度:75%


 評価表(★:絶賛! ☆:面白い! ◎:良かった♪ ○:普通 △:ややつまらない 凹:ヘコむ ×:観ちゃいけない)


 『あらすじ』


 大学8年生になる文哉は、幼い頃に両親に捨てられ、引き取ってくれた育ての父親は、罪を犯して逮捕されてしまった。おまけにいつの間にか膨らんだ借金84万円で首が回らない状態。そんな文哉の元に借金取りの福原が現れ「返済期限残り3日」と宣告される。


 借金を返せる目処も立たないまま、残りに1日となってしまう。途方に暮れる文哉に対して福原は、借金をチャラにする方法を告げる。それは、福原の気が済むまで東京を一緒に散歩するとゆー条件。しかも、目的を達成すれば100万円がもらえるとゆー。腑に落ちない文哉は、その申し出を受けることに。


 『感想』


 毎度の事ながら、三木聡監督作品は、何から書けばいいのか困るw今回の作品は、オダギリジョーと三浦友和のふたりが東京をてくてく歩きながら、互いの関係性を越えて、人間としての触れあいを見せながら、三木監督作品ならではの日常に埋もれている小さなネタを織り交ぜる。


 面白いケド、万人は薦められないってーのが本音と言えば本音。序盤から小さな笑いを狙いながらも、今までの三木監督作品にあったよーな「不道徳」さはあまり(いい意味で)感じず、債務者と債権者とゆー関係にある文哉と福原は、友人に思えるほど互いの距離感はないかと。


 今回ももちろん登場する岩松了とふせえり(+松重豊)。今までも三木監督作品では、必要不可欠的な存在として登場してきましたが、今回の役が一番「時効管理課」の雰囲気に近い印象。国松(岩松了)の旋毛の臭いが「崖っぽい」ってーのは、やはり寂水先生の…


 東京を色々歩くお話ですが、ことごとく「観光スポット」と呼ばれるところは、使ってない!地味な商店街とか路地裏を散策しながら、そーゆー日常の風景とそこで行われる人々の生活感が伝えようとしている印象。一方で、三浦友和(ALWAYS)やオダギリジョー(東京タワー)に対するオマージュもあったりとw(ついでに「時効警察」繋がりネタも何ヶ所かw)


 後半、文哉と福原は、成り行きで「疑似家族」を演じることになるんだケド、ここで登場する謎の少女・ふふみ。このふふみを演じている娘は、時効警察のシーズン1でダントツの人気を誇る第6話で茗荷谷真弓を演じた吉高由里子。


 ハイテンションな登場から文哉や福原をあっけらかんとさせながらも、場を和ませる存在として見事に際立っている。6話の時、あれほど切ない演技で泣かされたケド、今回は程良いあか抜けキャラがいい感じ。この娘、絶対ブレイクする。来年か再来年あたりに。


 食卓を囲む頃には、疑似家族ですらも文哉にとっては、本当の家族以上の家族になってゆく感じは、微笑ましさと少しの寂しさを感じる。福原のニセの妻を演じる麻紀子(小泉今日子)が作ったカレーを食べながら「辛い」と涙目になる文哉だけが、福原がカレーを食べたいと言った真意を知っているだけに(麻紀子が勤めるスナック名は…w)


 お話として、何かがすっきり解決してたり、登場人物たちの背景をあえて描いてないことで、観ている側としては「不意を突かれた」感じで終わった印象ですが、これが他の監督作品なら「えー」と不満の声でも上がってしまうのもしれないケド、そこは三木マジックですかねw


 ちょっとした笑いを求めているなら、是非♪あと、エンドロール後に……


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前売り特典:東京散歩マップ
(本当に歩いたらけっこー大変かもw)

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