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2007.07.18 ゆれる

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 評価:☆      絆と葛藤度:80%


 評価表(★:絶賛! ☆:面白い! ◎:良かった♪ ○:普通 △:ややつまらない 凹:ヘコむ ×:観ちゃいけない)


 『あらすじ』


 母親の葬儀にも顔を出さなかった猛は、1周忌に実家を訪れる。父親との小競り合いを収めてくれた兄の稔と思い出話に花を咲かせる。稔が店長を務めるガソリンスタンドのアルバイト・智恵子は、ふたりにとって幼馴染み。遠い日の思い出を振り返りに3人は、渓谷へを訪れることに。


 奇妙な三角関係に居づらさを感じた猛は、ふたりから離れ、渓谷の上に架かる釣り橋を渡る。猛るに憧れる智恵子、智恵子を思う稔、田舎に縛られたくない猛、3人の思いが別々の方向に向かう中、猛の後を追いかけてきた智恵子と稔は、吊り橋の中央でもみ合い、智恵子は川へと消えていった。


『感想』


 昨年、かなり話題になりながらついつい見逃してしまった「ゆれる」をやっと観賞。一見すると仲の良い「兄弟」。たったひとつの「存在」を除けば、これほど仲の良い兄弟は珍しいと思える。序盤の母親の形見分けシーンなんて、オダギリジョーと香川照之の演技も素晴らしく、実際に兄弟間であーゆー会話ってあるなぁ~と。


 若さ故に女性の体を貪ってしまう猛、奥手で思いを伝えることの出来ない稔、稔の好意に気付きながらも東京で働く猛に惹かれる智恵子。渓谷に行く前の晩、猛は、上京する前から智恵子と恋愛感情的なモノがあったのか…。それとも久々にあった幼馴染みを見て…。


 序盤の稔の何気ないセリフが、中盤である伏線として活かされ、それを知った猛は兄は全てを見透かしていたんだと悟るシーンとかやりきれない感じがあって好きです。また、ふだんは温厚な稔が突如として、激昂するシーンなんかは香川照之の見事な演技力でかなりリアルに感じます。


 猛は、兄を思い親戚の弁護士に裁判の弁護を依頼。この弁護士とゆーのが稔と猛の父親の兄。ここにも、もうひとつの兄弟とゆー形が。本編の中で、父親と叔父が言い争うシーンなんかは、ベテラン俳優ならではの見せ場じゃないでしょーか。


 裁判の争点は、稔が智恵子を突き落としたか、稔の存在を恐れた智恵子が後ずさった拍子に吊り橋から落ちたのか。ここでひとつ気になったのは、先に吊り橋を渡った猛の視線で吊り橋の様子を描いてしまっている点。猛は、智恵子の呼びかけにも振り向いているし、稔が智恵子を追ってきたことも知っていた。


 あと、裁判の中で気になった点が。えぇ、検察側のキム兄。見えない、見えない。検察とゆーよりは、ちょっと質の悪そうなヲヤジです。いや、もちろん、ドラマや映画で「検察側」が嫌味な存在として描かれることは多々ありますが、そーゆーのとは違う。明らかにミスキャスト。


 裁判シーンよりも、面会シーンの方が真の意味で兄弟が向かい合って、こっちの方がメインなんだと思う。心情を吐露する稔。東京で華やかな仕事をする弟と田舎で地味に家業を継ぐ兄の「差」を語るシーン、なにか猛の心の底を見透かしているような。


 クライマックスで、猛自身も証人として裁判に出廷。兄・稔を思いながらも、いや、思う故に口に出した証言。兄は自分とゆー存在を思っていたのか、見透かしていたのか。あと、あのガソリンスタンドの兄ちゃんが思った以上にいい味出してる。義理堅さとゆーか、彼の存在がなければ猛の心の「ゆれ」は、収まらなかったかも。


 形見分けでもらった8ミリに映し出された思い出を眺めた猛が、自分自身に錯覚を見せ続けていたことが分かり「真実」を目にしていたことに気付くシーン、映画館で観ていたら泣いてただろーな。通りを挟んだ向こう側にいる兄を呼びかけるシーンは、やはり橋の上から猛を呼びかけた智恵子のシーンとダブらせる演出か。川の音と車のエンジン音、稔の最後の表情は、邂逅だったのか決別だったのか。

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