評価:◎ 生々しい恐怖:65%
評価表(★:絶賛! ☆:面白い! ◎:良かった♪ ○:普通 △:ややつまらない 凹:ヘコむ ×:観ちゃいけない)
『あらすじ』
1990年代初頭。雪深い田舎町「松ヶ根」で、ひとりの女性がひき逃げ事故に遭う。死んだと思われた女性は、息を吹き返し、そのまま連れの男と何故か町に留まる。町の駐在所に勤める鈴木光太郎は、温厚な性格で職務をまっとうしようとするが、そんな彼の家族には問題が山積していた。
『感想』
なんとなくタイトルに惹かれて、見てみることに。とある田舎町で起きる小さな事件が鈴木家とその周囲の生活を地味に狂わせてゆく映画。作品全体を支配する田舎町独特の閉鎖的な空気と暗黙の了解とばかりに行われる因習。
見ているとやたらと性描写が盛んで、現在の映画とゆーよりは20年ぐらい前の作品とゆー印象が伝わってきます。エロいとは感じないのですが、性に対して日常の中の1つとして描いているよーに感じます。羞恥心がないとゆーワケではなく、後ろめたさの中にも常習性が漂っている。
事件の発端は、女性がひき逃げされたことから、駐在所の光太郎が家族の起こすトラブルを淡々と受け入れながらも、なんとか狂っている自分と自分の周囲の空気を変えようと奮闘?するのですが、この主人公の光太郎とゆーのが見た目に「葛藤」とは無縁な感じが限界まで自分の中で問題を抱えてしまうタイプに思える。
光太郎を取り巻く環境もちょっと都会では考えられない地方ならではの独特な関係性。不道徳であっても、それが認知されて、「当たり前」のよーに行われている日常。こーゆー習わしは時代毎に形を変えて、今でも絶えることなく続いているんだと思うと怖い気もします。
で、ひき逃げ事故を起こしてしまったのが、光太郎の双子に兄・光。事件をなんとか隠蔽しよーと被害者の女性とその連れの男に利用されまくり、そのしわ寄せが鈴木家へ。罪を犯した光が罪を隠すため、訳ありなカップルの怪しい行動に付き合わされる。
そのカップルの片割れ・西岡役をやっているのがキム兄なんですが、とてもハマり役。口数少なく、無愛想な表情。有無を言わさない言動。相方の女性もちょっと尋常ない感じとか、すごくリアルに感じます。
駐在所勤務の光太郎には、もう1つ悩み事が。それが駐在所の天井を駆け回るネズミ。どんなに罠を仕掛けても捕まえることが出来ない。周囲で起こる問題とネズミの捕獲、光太郎は、この2つの問題をなんとか解決したいと考える。
なかなか捕まらないネズミのことで、同僚に愚痴ると「おまえにしか(ネズミの足音)聞こえないんじゃね」と返答されるシーン。光太郎の周囲で起こっていることも大事ではないケド、確実に鈴木家巻き込んでいる。町全体からすれば些細なことでも、彼にとっては放っておくことが出来ない。
たましょく的には、こーゆー映画の方がホラー映画よりも恐怖を感じます。ホラー映画には、予定調和とゆーか、くるべきシーンで怖い演出がありますが、日常の中、フツーの生活の中で不意に起こることの方が怖いとゆーか、人間のたがが外れるとゆーのでしょーか。
タイトルにもなっている「乱射事件」。誰がどんな形で行うのか、それによって何が変わったのか、変わらなかったのか。センセーショナルに発生するばかりが事件ではなく、地味に起こって地味に解決しても事件は事件。日常の存在する恐怖とゆーのが垣間見えた気がします。
評価:◎ モヤさま度:75%
評価表(★:絶賛! ☆:面白い! ◎:良かった♪ ○:普通 △:ややつまらない 凹:ヘコむ ×:観ちゃいけない)
『あらすじ』
大学8年生になる文哉は、幼い頃に両親に捨てられ、引き取ってくれた育ての父親は、罪を犯して逮捕されてしまった。おまけにいつの間にか膨らんだ借金84万円で首が回らない状態。そんな文哉の元に借金取りの福原が現れ「返済期限残り3日」と宣告される。
借金を返せる目処も立たないまま、残りに1日となってしまう。途方に暮れる文哉に対して福原は、借金をチャラにする方法を告げる。それは、福原の気が済むまで東京を一緒に散歩するとゆー条件。しかも、目的を達成すれば100万円がもらえるとゆー。腑に落ちない文哉は、その申し出を受けることに。
『感想』
毎度の事ながら、三木聡監督作品は、何から書けばいいのか困るw今回の作品は、オダギリジョーと三浦友和のふたりが東京をてくてく歩きながら、互いの関係性を越えて、人間としての触れあいを見せながら、三木監督作品ならではの日常に埋もれている小さなネタを織り交ぜる。
面白いケド、万人は薦められないってーのが本音と言えば本音。序盤から小さな笑いを狙いながらも、今までの三木監督作品にあったよーな「不道徳」さはあまり(いい意味で)感じず、債務者と債権者とゆー関係にある文哉と福原は、友人に思えるほど互いの距離感はないかと。
今回ももちろん登場する岩松了とふせえり(+松重豊)。今までも三木監督作品では、必要不可欠的な存在として登場してきましたが、今回の役が一番「時効管理課」の雰囲気に近い印象。国松(岩松了)の旋毛の臭いが「崖っぽい」ってーのは、やはり寂水先生の…
東京を色々歩くお話ですが、ことごとく「観光スポット」と呼ばれるところは、使ってない!地味な商店街とか路地裏を散策しながら、そーゆー日常の風景とそこで行われる人々の生活感が伝えようとしている印象。一方で、三浦友和(ALWAYS)やオダギリジョー(東京タワー)に対するオマージュもあったりとw(ついでに「時効警察」繋がりネタも何ヶ所かw)
後半、文哉と福原は、成り行きで「疑似家族」を演じることになるんだケド、ここで登場する謎の少女・ふふみ。このふふみを演じている娘は、時効警察のシーズン1でダントツの人気を誇る第6話で茗荷谷真弓を演じた吉高由里子。
ハイテンションな登場から文哉や福原をあっけらかんとさせながらも、場を和ませる存在として見事に際立っている。6話の時、あれほど切ない演技で泣かされたケド、今回は程良いあか抜けキャラがいい感じ。この娘、絶対ブレイクする。来年か再来年あたりに。
食卓を囲む頃には、疑似家族ですらも文哉にとっては、本当の家族以上の家族になってゆく感じは、微笑ましさと少しの寂しさを感じる。福原のニセの妻を演じる麻紀子(小泉今日子)が作ったカレーを食べながら「辛い」と涙目になる文哉だけが、福原がカレーを食べたいと言った真意を知っているだけに(麻紀子が勤めるスナック名は…w)
お話として、何かがすっきり解決してたり、登場人物たちの背景をあえて描いてないことで、観ている側としては「不意を突かれた」感じで終わった印象ですが、これが他の監督作品なら「えー」と不満の声でも上がってしまうのもしれないケド、そこは三木マジックですかねw
ちょっとした笑いを求めているなら、是非♪あと、エンドロール後に……
前売り特典:東京散歩マップ
(本当に歩いたらけっこー大変かもw)
評価:○ 安易な波瀾万丈度:40%
評価表(★:絶賛! ☆:面白い! ◎:良かった♪ ○:普通 △:ややつまらない 凹:ヘコむ ×:観ちゃいけない)
『あらすじ』
高校1年生の美嘉は、学校内でケータイを紛失したことからヒロとゆー同学年の男子と知り合うことに。最初は、電話で話すだけだったが自然とふたりは、付き合うことに。初恋に胸躍る美嘉だが、ヒロの元カノの存在が浮上する。
『感想』
最近、流行っているらしい「ケータイ小説」が原作とゆーことで。そんなことまったく知らないたましょくは、なんとなくガッキー出演とゆーことだけで観てみたのですが…。昨日「バイオ」観た時も、この作品を上映しているスクリーンから出てきた観客のほとんどが目の周りを真っ赤にして出てきていたので、「そんなに泣けるのか!」と思いながらさっそく観賞。
なんとゆーか、美嘉を襲うトラブルの数々が「とりあえず思い付く不幸を並べてみました」とゆー印象なんでが。ひとつのエピソードが起こっても、あまり重大さが伝わってこないとゆーか、サラッと描かれていて。序盤、美嘉がヒロと直接会うまでの過程とか、半ストーカーっぽいとかまったくロマンチックじゃないことを思ってました。(誕生日の歌は、おかしかったケドw)
「恋するマドリ」「ワルボロ」と観てきて、この作品でガッキーの演技や魅力が十分引き出されていることは、伝わってくるのですが作品自体の方向性がたましょくの好みとは違っていたのかもしれません(思えば、恋愛モノで泣いたのは「猟奇的な彼女」だけですし…)
で、美嘉の恋人・ヒロ役の三浦春馬。「14才の母」で志田未来の相手役・桐ちゃんやってましたが、今度は、ガッキーかよと。あの作品では、大人しい役でしたが今回はうって変わって、ちょっとワル風な威勢の良い高校生。金髪(銀髪?)だったり、黒髪になったりと印象が随分変わりますケド、存在感もあったし、若い娘にウケはいいんでしょう。
ツッコミどころはあるのですが、この作品の雰囲気では、突っ込むのは野暮ですかね。すっかり泣くタイミングを外してしまったので、周囲の泣き声が聞こえる状況で「あーなんでこんなに冷静に観ているんだろ」と思ってしまって。やっぱり「続・三丁目」にしておけば良かったかな。
前売り特典:ハート型アクセサリー
(完全に女の子向け特典ですよね………)
評価:△ 烏>死体度:35%
評価表(★:絶賛! ☆:面白い! ◎:良かった♪ ○:普通 △:ややつまらない 凹:ヘコむ ×:観ちゃいけない)
『あらすじ』
ラクーンシティからの脱出に成功したアリスは、アンブレラの監視から逃れるために世界中を旅する。その間に、T-ウィルスは爆発的勢いで世界中に蔓延し、人類はおろか環境破壊まで引き起こし、至る所で砂漠化していた。
アリスは旅の途中、ラクーンシティで共に戦ったカルロスと再会を果たす。T-ウィルスの感染を免れているとゆー「アラスカ」の地を目指して再び協力することに。一方、アンブレラはアリスの強靱的なパワーと生命力を利用しようと「アリス計画」を発動する。
『感想』
シリーズ完結編?とゆーことで多少期待する部分もあったのですが…いや、なんともダラダラとやってくれてしまった感じです。気持ち的に「エイリアン4」を観終わった後と同じ。予告で見せ場流しているせいもあって、そこ以上に盛り上がるシーンないじゃんと。
一応ホラー映画なので、ビクッとなるシーンがないワケじゃないですが、不気味さ、怖さ、恐ろしさってーゆーあまり伝わってこなかったです。ただ、ホラー映画にしては、昼間のシーンが多いってーのは、新鮮でしたケドw実験施設の周りの柵、あんなんでずーとゾンビを防いでいるってーのは、どーかと。
ゾンビの動きも雑兵過ぎて、やっつけ気味に感じてしまったり、アリスって結局何なの?とゆー疑問が頭を過ぎったり。ゾンビ映画なのに、カラスの大群(クローズ)の方が迫力あるし。目を見張るのは、カラスシーンとアリスのナイフ2刀流さばき。
今回も一応、ボス的なクリーチャーいますが………なんだか「2」の時のネメシスのきぐる然とした見た目とは、また違う意味でのガッカリさが漂ってますwアラスカを目指す一団がゾンビやカラスの襲われてピンチに陥るシーンで、自己犠牲精神で散ってゆく様は、観ていて辛かった。
そー言えば、ゲームに登場するサングラス野郎があんな形で登場するとは。つか、見た目に威厳なさ過ぎで。もうちょっとどーにかならなかったのかな~(さっきから愚痴ばっかで申し訳ないです)。あと、お決まりの「なんちゃって日本」には閉口。で、アリスを残して飛び立ったヤツら、どーなった?(まだ続くのかー)
前売り特典:ポストカード